ふくよかな顔つきで

「あれは越後から、たびたび手紙をさしあげたそうですが、そういう不分明なことは出来ないとおっしゃって、とうとう、いちどもお逢いくださらなかったというようなことも聞きました……わたしは、こういうひねくれものでございますから、やすやすと信じる気にはなれませんで、いろいろと手をつくして調べさせましたが、微塵...

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夜うぐいすの声

 老人は夜うぐいすの声をききすますように、夕月の光のさしかける半蔀のほうをながめていたが、すこし座を下って、畳の上に両手をつくと、「鶴に罪はありません……こういう不幸にたちいたりましたのは、みなわたしの我儘から起こりましたことで、それにつきましては、このとおり、手をついておわびいたします。鶴は、こ...

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老人は茶釜から茶を汲み

 慇懃に二人を招じ入れ、三方から囲爐裏を囲むようにして坐ると、老人は茶釜から茶を汲み、すすめるでもなくすすめぬでもなく、それを爐縁のうえに置きながら、「いま鳴いておりましょう、あれは夜《よ》うぐいすです。欧羅巴でも、チロルあたりまで行きませんと、このごろは、なかなかきかれません」 余談的なことを...

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